お 豆 会 談
特別編 その壱!






???:それでは始まりました、第1回お豆会談。場所はここ、戦艦長門艦上ですー。

???:艦上っつっても、中だけどねー。

ながと:……………………(どうでもいい)

???:……では、長門様の中、って言えばいいですか?

???:きゃっ! 中とか、卑猥っ!(にや)

???:……………………あんたが言ったんじゃん(正直死ねばいいと思った)

???:だって、俺、そいう方面担当なんだもん。
     ムードメーカー。

???:自分で言ったら駄目ですよ……。
     本来海軍のシモネタは気品があるものです。
     今のはちょっと。

???:ぐっは!!駄目出された!!

ながと:……………………(正直、どっちでもいい)

???:ところでさーァ? 何でこの取り合わせなんよ。
     まぁ、俺とながっちゃん(長門)は戦艦つながりなんてもんもあるけどさァ。
     それでも、さして仲いい訳じゃないしぃ?

???:うわ、言っちゃった(笑)

ながと:……………………(ちょっと暇になってきた)

???:だって、ホントのことだろ。
     俺的には別に気にしないし、ながっちゃんは生まれながらの孤高の一匹狼で有名だしィ?
     仕事でちゃんと付き合えるならいーんじゃにゃいかなー? なーんて。

???:確かに、その通りですけど……。


≪ちりん、ちりーん♪≫


???:何?!

???:嗚呼、ちょーっと待ってくださいね。
     えーと、この面子は、作者――特に妹の方の陰謀でして。

???:作者って誰よ。

???:さぁ? 僕にもちょっと。
     で、これが、作者の声でして。

???:木札?!
     これって、さっきの妙な音で下がってきた訳のわからん奴じゃん!!

???:≪天の声木札≫です。
     僕らにもわかりかねることは、この木札に回答が書いてあるという風で。

???:いい加減ー……。
     いいんすか、ながとっち。
     こんなんで。

ながと:べつに。

???:さて、この取り合わせの話でしたね。
     えーと、長門様は主人公だから外せないとして、
     ボケ役が一人いるだろう! ということで、貴方のチョイス。
     しかしながら、それだけじゃあ話が続かないだろう、進行役として僕だそうです。

???:ボケ役かよ!?

???:ボケ役ですよ。
     とりあえず、その辺は置いておきましょう。
     ではまず、僕らのことですね。
     今回の会が開催されたのも、目的はそこでして。

???:妙なネーミングだよな。
     お豆会談、なーんて、気の抜ける。

???:“ヤルタ会談的な?”だそうですよ。
     お豆は、豆キャラの豆だそうで。
     本来の目的は、本編たるマンガを補足するかたちでの座談会。
     今後は、僕たちだけじゃなく、いろんな方がいらっしゃると思われます。

???:いろんな方ねえ。

???:因みに、今回僕たちは名前表示されません。

???:うっそ!マジで!?

???:まだ、本編未登場ですからね。
     長門様は、主人公なので、例外ですが。

ながと:…………好きにしたらいい。

???:さて、今回の議題行きますよー。
     僕らは軍艦の意思そのもの――船体を媒介にする幽霊だと言った方がわかりやすいでしょうか。

ながと:生まれはハッキリしない。
     しかし、職人によって丹精こめて作られたものが命を持つという逸話は、古今東西、
     どこにでもあるもので、
     我々もその一部だと思っていただいて結構だ。
     艤装において突如として現れ、職人の最たるドック長から、軍人の艤装員長、
     そのまま艦長へと持ち上がり式に憑いていく。

???:初期はすっげークソチビなんだよなァ。
     精神も、こンめぇから、下手したらその辺のチビと微塵もかわんない。
     ただ、往々にして何十もの乗員が工事に参加しだすと、そいつらの記憶分捕って、
     精神的にも肉体的にも成長して、だいたい1年――進水を迎えるくらいでそれなりの姿は獲得する。

???:それでも、姿自体はそれぞれ違いますよね。
     外見年齢――っていうのでしょうか?

ながと:どんなに年若くても、老齢の姿をとる者もいるし、どんなに年食ってても、若すぎる容姿の者もいる。

???:その辺は、賭けにちかいですよね。
     僕みたいにちみっこいとこで止まると、周りからは舐めくさってもう……(涙)

???:あーあー、よぅ苛められてるもんなー。
     限定一人に対してー(笑)

???:そうなんですよぉ!
     長門様、なんとかしてくださいよっ!

ながと:あれを止められたら、こんなに苦労はしない。

ふたり:たーしかにー……。


――艦長は憑依・乗員は家族――



???:僕らの艦内での立ち位置ですか?
     そうですねぇ……あえて言うなら、船体は体、艦長は触媒、乗員は血肉、って感じでしょうか。

???:おお、巧いこと言った!

ながと:艦艇としては、まぁ妥当な表現だろう。
     我々は、船体に宿る意思そのものだ。
     故に、艦艇そのものからは基本的に離れられない。
     ただし、自縛霊とは少し違う。
     元は技工たちの技に対する精霊のようなもので生まれて来るのだから、当初存在自体が曖昧で、
     半ば艦長――艤装中は、艤装員長――に憑依する形になる。
     ただし、生まれながらに乗員を家族と、ひいては国民を守り慈しむことを教え込まれているからな。
     乗員を守るために戦う。
     だが、一度乗員が死ねば。

???:最悪っすね。
     俺たちは、生きているだけで、何百――へたすりゃ何千の人間の記憶と感情に左右されてる。
     乗ってる人間たちの気質にも左右されるし、感情、生い立ち――そういったもンに影響受けちまう
     んだから、人なんか死にゃあ、気分は悪いわ追体験はするわ、更には精霊に近い体が、死んじまった
     乗員の無念なんかで鉄片に縛られて、亡霊に近くなっていく。

???:その代り、存在意義は確固としますよね。
     好きな人たちが死んじゃって、矛盾もいいとこなんですけど。



軍艦企画へ
トップへ